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絶対量をこなせ!「限界なんて、ないんだ」(1)


みなさん、こんにちは。はやいもので、今年もあと一ヶ月弱で年越しを迎えることになります。ほんとうに時間が経つのが早く感じられます。そう感じるのも、私も歳をとったせいでしょうか(笑)。


ちまたでは、プロ野球で、原辰徳監督の読売巨人軍が久しぶりに優勝したとかで話題になっていますね。もっとも、ちょっとした(?)スキャンダルもスクープされてしまったみたいで、こちらも話題になっていますが。。。


私も子供の頃は野球観戦が好きでして、じつは巨人ファンでした(今も一応、そうですが)。しかし、小学校の高学年くらいから空手や柔道などが好きになり、その後はほとんど野球への興味が失せてしまいました。


最近、巨人優勝のニュースを知り、また偶然、著書『地獄の伊東キャンプ』(鈴木利宗著 / 大修館書店)を注文して読むことにしました。年齢が中年以上のプロ野球ファンなら誰でもご存知でしょうが、今となっては伝説と化した猛特訓の記録です。


1979年、Bクラス5位という低迷した成績を叩きあげるべく、長嶋茂雄監督は静岡県伊東で猛特訓キャンプを決行しました。参加選手は19名の若手(平均年齢23.7歳)で、江川卓、西本聖、鹿取義隆、中畑清、篠塚利夫など、後々、同チームの主力選手となる人たちばかりでした。


特訓は、若手プロ選手ですら想像を絶する過酷さで、朝から夜まで続き、毎日立てなくなるほどしごかれたそうです。たとえば、ノック1,000本、素振り1,000本はザラで、坂道を猛ダッシュさせられる、とにかく延々と練習が続くわけです。


上の写真のように、訓練中に中畑選手も疲労でのびてしまっていますね。食事のときも、疲労のあまり、食べ物がなかなか喉を通らなかったという逸話もあります。それでも、長嶋監督は、選手たちに「限界なんて、ないんだよ!」と激を入れたそうです。


特訓は1979年10月28日から11月22日までの約一か月間続いたとはいえ、誰一人として怪我をしたり、挫折して途中で抜け出す人はいなかったいわれています。甲子園出場、ドラフトなどの難関を突破しても、さらに拷問のような猛特訓でしごかれる。。。。


この「地獄の伊東キャンプ」の成果は、翌々年の巨人優勝に表れ、さらに、猛特訓を受けた若手選手たちが、巨人の躍進を支えることになったわけです。


この猛特訓の話は、野球以外のスポーツ、勉強、芸術など、あらゆる分野に通じるのではないでしょうか。1979年当時と比べて、現代は情報量が爆発的に増えてアクセスしやすくなりました。


また最近は、「科学的合理性の追求」というかけ声のもと、なんでも「スマート」に目標を達成できることが望ましいとされてきました。その結果、「根性」「信念」「執念」といった言葉や考え方がダサく、非合理的な考え方とみなされています。


しかし、そうした「スマート」な考え方は、じつは自分の限界を低く制限してしまいかねないのではないでしょうか。また、創造性や独創性を発揮するにしても、練習の絶対量を確保しなくてはなりません。知識や経験を蓄積し、心の中で消化(知識や感覚を熟成)させないと結果や成果が出ないでしょう。


私の認知トレーニングに興味や関心を持っていただけることはありがたく、うれしいのですが、その前に、ご自身がどれだけ練習時間や練習量をかけてきたのか、自問してみる必要がありますね。

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